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The Very Best of Blankey Jet City "国境線上の蟻" by Blankey Jet City:レビュー

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The Very Best of Blankey Jet City "国境線上の蟻"をamazonで買う

思い出は雪だから
すきとおった水へ 帰ってゆくだけ

by 水色(M1)

僕らはいつだって輝ける季節がある。それは中学の頃か、高校か。
大学生の頃なのか、今か、未来か。

人生は想像もつかないことが起きる。
奇蹟のような日々も、絶望に打ちひしがれる日々も、訪れては去り、またいつの日か訪れる。

パンクに出会ってしまった熱い夏の日
fake plastic treesを聞きながら部屋の隅でうずくまっていた肌寒い朝方
祖父を失った夜
初めてのバイトでお金を手にしたその年一番の猛暑
君に出会ってしまった昼下がりの校舎
ただただステージのほうを向き飛び跳ね続けたどしゃぶりのフジロック
眩しすぎるライトで客席の見えない小さなライブハウスのステージの上に立って叫んだ夜
はじめて仕事を受けた夏の終わり

でも
初めてしたバイトってそういえばなんだっけ
はじめてライブをしたのはどこだっけ
フジロックはハイロウズとfoofightersとあと何が出ていたんだっけ

記憶はいつの日か曖昧になりそのほとんどは消えてゆく。
深く負った傷もいつの日か癒え、輝ける瞬間は思い出す時間もないくらいの日々におしつぶされ。


The Very Best of Blankey Jet City "国境線上の蟻"は文字通りBlankey Jet Cityのベスト盤だ。
そこにはオリジナルアルバムが内包するような一つのつながったストーリーやコンセプトというものはない。
Blankey Jet Cityというバンドの歴史を僕らに提示するだけだ。spitzがベスト盤のタイトルをrecycleとしたように、商業的な意味合いやマーケッティング、アーティストとレコード会社の契約上の問題などがむしろコンセプトであると言えてしまうことが多い。

しかしこの "国境線上の蟻" がカタログとしてだけではない意味を持っている。と僕は思っている。
それは "水色" という未発表曲に起因する。
正確に言うとsherbets(ベンジーの別プロジェクト)でこの曲は発表されているのでB.J.Cとして未発表ということか。

ベンジーの言葉は影響を受けているロックンロールやロカビリーと言ったものから来るカッコつけるためのものでありつつ、常にセンチメンタルな感情にも焦点をあてている。そこには文学のにおいがするほど濃い言葉の並びが存在し、曲以上に高いクウォリティを見せつけている。

"水色" はもちろんメロディも素晴らしい。
それでも、ぶっきらぼうに吐き捨てるように歌われる詩が僕の心をとらえてやまない。

このベスト盤「The Very Best of Blankey Jet City "国境線上の蟻"」の発売された98年にこの曲を聞いて以来、ふとしたときに僕はこの "水色" の歌詞を思い出す。
なんの飾りもなく、ただ自然につぶやくように、胸の奥から静かに沸き上がるように吐かれる言葉。


いつの日にか
みんなどこかへ
消えてしまう気がする


1. 水色
2. PUNKEY BAD HIP
3. ICE CANDY
4. 絶望という名の地下鉄
5. クリスマスと黒いブーツ
6. Bang!
7. 嘆きの白
8. Snow Badge
9. Dynamite Pussy Cats
10. SKUNK
11. 悪いひとたち
(Live Version with orchestra: at NHK HALL,16,JAN,1994)
12. 風になるまで
13. 15才
14. ガソリンの揺れかた
15. John Lennon

各オリジナルアルバムにおけるまさにマストな曲がセレクトされた最高のカタログ。
B.J.Cを知らない人はここから聞き始めるのもいいかもしれません。


Blankey Jet City Official web site

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