
世界の終わり、あるいは始まり
歌野 晶午という推理作家(1961年 第57回日本推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞)も作品。
例によってジャケタイトル買い。
なんか最近ミステリー楽しいです、さくっと読めるし。
東京近郊で誘拐殺人事件が連続して起こる。
その地域で生活する富樫家の父、富樫修は偶然から息子がこの事件に関わっていることに気づく。
やがて少しずつ「息子=犯人」という疑念が深まっていき...。
ここまでの前半のスピード感は素晴らしい。心拍数が読んでいてあがっていきます。
後半はネタばれになるんで書きませんが、おそらくこの展開を想像できた人はいないんじゃないかという意外性があります。前半のスピード感から期待するエンディングは望めませんが、この歌野 晶午という作家が用意した終わり方、僕的にはかなりありな感じ。
子供の犯行に及ぶ動機が少し軽い気がするが、この軽さもひとつの混沌とした現代を表現していると理解すればいいのかな。
僕らの倫理観や社会に対する建前や個人的な正義感、逆に自己中心的な汚い思いや勝手な思い込み。それらすべてに対してどうなんだい?と問いかけてくる作品。
いい気分で読み終わるのは難しい気がしますが、それでも妙な納得を味わってしまう奇作。