輝く断片 by シオドア・スタージョン:レビュー

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最近、数年ぶりの活字中毒にかかりかけています。
そんなこんなで、国際幻想文学賞受賞の「孤独」と「愛」をテーマとした作風を特徴とするシオドア・スタージョンの短編集。

1954年、『人間以上』"More Than Human"で国際幻想文学大賞を受賞。
1971年、『ゆるやかな彫刻』"Slow Sculpture" でヒューゴー賞短編部門を受賞。

ということですが、シオドア・スタージョンの作品は本作しか読んだことがありません。ので、同じ河出書房の奇想コレクションシリーズ「フェッセンデンの宇宙」を装丁とタイトルでジャケ買いした流れで、タイトルに惹かれて購入です。

短編集ということですが、作品によってレベルに差があるなというのが正直なところです。訳者も若干違っていることも影響しているのかなと思いますが、物語として成り立っていないようなものも見受けられるので、根本的な問題もあるのでしょう。

その中で、表題の「輝く断片」と「マエストロを殺せ」がクウォリティの高い作品。
シオドア・スタージョンの作品には「孤独」というキーワードが多くちりばめられているそうですが、本作もやはり「孤独」とそれがもたらす狂気を中心点に、そっと、でも確かに物語は破滅に向かって進んでいきます。
ある夜道端で瀕死の若い女を自身の部屋に運び、警察に通報せずに看病し続ける孤独な中年を描いた「輝く断片」。やがて意識を取り戻した女性がこの中年男性から離れようとする時、狂気に満ちた結末を迎えます。
「マエストロを殺せ」では、ひくつな感情に支配された主人公の理不尽で到底理解し得ない感情が周りの人々を次々と災いに巻き込んでいきます。
どちらの作品も読んでいて気持ち悪くなってくるくらい、普通の人には理解しがたい捻じ曲がった感覚とその描写が読み進みにつれ鮮明に描かれています。

ほんと、一部気持ち悪くなるところがあるとおもいますので(笑)ミステリーとかになれた方が読むのがいいのではと思います。

各短編の質に差はあるものの、シオドア・スタージョンの長編を読んでみたいと思わせるレベルには達していました。

シオドア・スタージョン、ちょっと気になる作家ですね。

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