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血と骨 by 梁石日:レビュー

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大阪市猪飼野生まれ、済州島出身、在日コリアンである梁石日の第11回山本周五郎賞受賞作品「血と骨」。

※続きは若干ネタバレ的なところがあります。

戦前から昭和末期にかけて生きる実父をモデルにした金俊平という人物の半生を描いた作品。
強靭な肉体と旺盛な性欲、欲望を当たり構わず振り回しまわりの人間を翻弄しながら、豪快で絶望に満ちた日々をすごす金俊平は、衝撃の人物像。
実父がモデルということで作家本人の実体験が多く織り込まれていると思うのですが、それに基づくリアルさがあるからこそ、作者によって作られた過剰な父親のヒューマニティーがより一層真実味を増し恐怖を抱かせる。

何もかもを超人的な力で自分の好きなように生きる金俊平に翻弄される英姫を筆頭とした幾人かの妻、妾。
仕事仲間で同郷の親友である高信義。
いつも 金俊平の強力な磁場から結局は逃れることのできない、娘、息子、甥といった親戚や大阪のヤクザ、商人たちの生き様と街のにおいが充満する物語の中盤。

そして、作家本人がモデルで金俊平の息子である成漢が、最後に見せる金俊平とは正反対の人生。
それと呼応するかのように金俊平は父親を最後まで許さなかった。

そして、父親は北朝鮮へ...。
現在の北朝鮮問題を知っているからこそ、金俊平の最後はあまりに情けないものに写る。

このことに、在日コリアンである作者はどこまで気づいていたのか、興味深いところです。

読み始めたら止まらない作品です。

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